税理士・会計事務所業界の“知る”を支える、情報プラットフォーム

ニュースやお役立ち情報を随時更新!最新のトレンドなら「税界タイムス」

第108号 2025.12.1

日本の農業は税理士が守る! 第2回
税理士 小島 拓也

 令和のコメ騒動で農業への関心は高まった。しかし、国民のほとんどは日本の農業の危機的状況を知らない。高齢化と後継者不足の深刻さは増すばかり。そこには農作物の生産面だけではない事業承継や相続対策など税理士の力が必要である。北海道には、高度なスキルと熱き情熱で農業経営の継続のために戦う若き税理士がいる。

 日本の農業を守るのになぜ税理士が必要なのか。それは、農業が「つくる産業」から「つなぐ産業」へと変わりつつあるからだ。

 2000年に約260万あった農業経営体は、2050年には17万まで減少すると言われている。この数字は、単なる統計ではない。ひとつひとつの減少の裏に、家族の葛藤や、地域が失う灯がある。農業経営が減るということは、畑が減るということ。そして、仕事や暮らし、誇りまでもが途切れてしまうということだ。

 私は北海道で、これまで多くの農業者と向き合ってきた。収入よりも地域を、効率よりも家族を守ることを優先し、厳しい経営の中でも土地を手放さずに踏ん張る人たちがいる。夜遅くまで電卓をたたきながら「あと一年だけ頑張ってみる」と言った農家の方の顔を、今でもはっきり覚えている。だが、相続や借金、後継者問題が重なれば、心は簡単に折れてしまう。「もう続けられない」と、静かに肩を落とす姿を何度も見てきた。

 農地を守るとは、単に土地を残すことではない。そこに生きる人の暮らしや、積み重ねてきた時間と誇りを守ることだ。だからこそ、私たち税理士が関わるべきは、「数字の向こう側にある人生」である。

 ある農家では、父親の引退を機に相続の準備が始まった。しかし、子どもたちは誰も農業を継ぐ意思がなく、農地の行き…

この記事の続きを閲覧するには、
ご登録 [無料] が必要です。

第108号の目次