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顧問先を導く融資支援の実務 第2回
徳永貴則(株)スペースワン代表取締役

顧問先の「いくら借りればいい?」にどう答えるか

顧問先から「銀行からいくら借りればいいでしょうか」と相談を受けた経験のある会計事務所の方は多いと思います。この質問に対し、「できるだけ多く借りておきましょう」「銀行が貸してくれるなら借りておきましょう」と答える場面も少なくありません。

もちろん、資金に余裕を持つことは重要ですが、目的を明確にしないまま借入額を増すように勧めるのは、会計事務所として適切なアドバイスとはいえず、結果として顧問先を不幸にする可能性もあります。なぜなら、経営者が本当に知りたいのは「借入金額」ではなく、「自社にとって適切な資金調達の考え方」だからです。

資金調達を検討する際には、3つの視点が必要になります。1つ目は、「なぜ資金が必要なのか」です。設備投資なのか、売上増加に伴う運転資金なのか、賞与や納税への備えなのか、赤字による資金不足なのかによって、必要な資金額や返済期間は変わります。銀行が最初に確認するのも資金使途です。理由が曖昧なまま金額だけを決めることは、本来の融資の考え方とは異なります。

2つ目は、「いつ資金が必要なのか」です。半年後の設備投資資金なのか、来月の資金繰りなのかによって、借入のタイミングは大きく変わります。早すぎる借入は不要な利息負担を生みますし、遅すぎれば資金不足に陥る可能性があります。資金繰り表などを活用しながら、時系列で確認することが重要です。

3つ目は、「どのように返済するのか」です。借入は調達することが目的ではありません。将来の利益やキャッシュフローから返済していくことが前提です(ただし、正常な運転資金はキャッシュフローで返済するものではありません。この点は回を改めて説明します)。…

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