令和のコメ騒動で農業への関心は高まった。しかし、国民のほとんどは日本の農業の危機的状況を知らない。高齢化と後継者不足の深刻さは増すばかり。そこには農作物の生産面だけではない事業承継や相続対策など税理士の力が必要である。本コラムは、高度なスキルと熱き情熱で農業経営の継続のために戦う若き税理士からのメッセージである。

日本の農業を守るのになぜ税理士が必要なのか。理由は明快だ。2000年に約260万あった農業経営体が、2050年には17万にまで減少すると予測されているからである。この急激な減少は、大規模化・多角化、さらにはM&Aによるグループ化の進展を意味する。
問題は、こうした経営環境の激変に対応できる農業経営体が極めて少ないことである。農業のレベルアップを支援する専門家の存在が不可欠であるにもかかわらず、その数は十分ではない。農業経営体が減少するということは、規模に関わらずそれだけの数の事業承継が発生するということであり、そこには相続対策も必ず伴う。
農業の場合、資産の大半が土地や機械など農業関連資産で占められ、現金化が難しい。従来の家督相続が崩れた今、相続を巡る兄弟間の争いも珍しくない。農業者にとって相続対策は避けて通れない重要課題である。
さらに、農地の承継には「農地法」が立ちはだかる。一般企業と同じスキームを採ることができず、事業承継を複雑にしている。とはいえ、令和元年の農地法改正により、農業界でもM&A(100%子会社方式)が可能となった。今後は大規模化に加え、M&Aによるグループ化が進展していくと見られる。
ここで必要となるのが、農地法・会社法・税法・民法という4つ…
第107号の目次
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