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自計化と記帳代行の二極化を憂う
業界の永年のテーマを坂本孝司TKC全国会会長が語る

「坂本さん、話がちがうよ。簿記がわからないし、経理担当の職員も雇えないから依頼しているのに、自分でやれとは理不尽な話じゃないか!」これは、25歳で開業して5年後、記帳代行で土日もない忙しさに追われるなかで、税理士という仕事を問い直した坂本会長が、関与先に記帳の仕方を教えようとしたときの反応だ。税理士業界に長く続く自計化と記帳代行の是非について話を聞いた。

会計事務所業界において、(株)TKCとTKC全国会の存在感は特別だ。創始者飯塚毅氏がその人生を捧げた「租税正義の実現」と「職業会計人の職域防衛と運命打開」のミッションは今も脈々と受け継がれている。TKCのエッセンスが記される基本書「TKC基本講座(第5版)」の理解も不十分な我々取材班を、坂本孝司TKC全国会会長(写真)は、笑顔で迎えてくれた。

■今、業界は何が問題なのか

TKCと言えば「月次巡回監査」の徹底だ。自計化を推進し、月次決算を実施することがTKCの基本である。しかし、業界全体の動きとしては、近年、関与先を毎月訪問する事務所が増加傾向にあるという声はあまり聞こえてこない。そこにはコロナ禍でのオンライン面談の普及も影響しているだろう。逆に、デジタル技術を駆使して記帳代行を主眼に置く事務所が増加してはいないだろうか。

「領収書などを預かり、所内でパートに入力させる。あとは所長が確認する。確かに、商売としては楽でしょう」と坂本会長は語りはじめた。「最近、このように起票・記帳代行を主に行い大量の顧客を獲得する『丸抱え体制』の事務所と、毎月顧問先を訪問し、現地(現場)・現物(証拠)・現人(顔の見える関係)の「三現主義」で事実認定をしっか…

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