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事務所後継者問題 解説シリーズ - 事業合流の実際
税理士法人東京さくら会計事務所編 - (1)

会計事務所事業承継アドバイザー
中尾 安芸雄

試行錯誤の歴史から生まれた珍しい「寄せ集め一体型組織」

昨年は連載「事業合流の活用」(全5回)において、会計事務所M&Aとは色合いが異なる事業承継方法(事業合流)を解説した。今年は、その事業合流を実践している税理士法人の事例を紹介しながら会計事務所の事業承継の解決のヒントを探ってみたい。

「事業合流」という用語は、2年程前から使われはじめた造語で、まずは用語解説を読んでいただきたい。

その事業合流に近い事業承継方法を試行錯誤しながら進めているのが税理士法人東京さくら会計事務所(以下「東京さくら」)である。

東京さくらは、税理士20名、総勢140名、拠点数13ケ所の税理士法人である。

その歴史は、税理士横尾和儀(以下、横尾)が昭和61年に東京の小金井市で独立開業してスタート、平成15年に税理士法人化した。

つまり法人化してから現在までの約20年間が事業合流の試行錯誤の歴史ということになる。

拡大志向無き拡大

横尾氏には独立当初から明確な目標や拡大の野望があったわけではない。

明治大学法学部に進み司法試験を目指すも大学の詩吟サークルに熱中してしまい、アルバイト先の友人の紹介で就職したのが東京小金井の会計事務所だった。

税理士資格を取得して3年経過した頃、当時の所長から独立を促され渋々独立したというのが横尾の経歴だ。

担当先の社長に独立する旨伝えると「横尾さん、本当に大丈夫か?」と言われてしまったそうだ。

その後は、独立したからにはと必死に働き職員10数名の個人事務所まで成長させた。

根っからの人好きな性格からネットワークも広がり、税理士法人化まで進む。だが、はじめて…

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