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若き税理士の 独り言(3) 無理と決めること、やめませんか
税理士豊田 章成氏

税理士法人が巨大化し規模を競う時代に、個人事務所として生きる道を選択する若き税理士は、顧客、サービス、業界、それから未来をどう見ているのだろう。


「無理です」「できません」̶̶この言葉、よく聞きますよね。私も外部の方と問題点を整理する際、何度も耳にしました。でもこの問題点は本当に「無理」なんでしょうか。最初から無理と決めつけること自体が一番問題と思うんですよね。ホメオスタシスによって、変化を嫌い現状維持を求めるのは生物の基本特性ではありますが、ビジネスの上では過度な反応だと感じる場面が度々あります。

ある上場企業が中小企業を買収したM&A案件での話です。私は買収された子会社が親会社のスケジュールに対応できるよう経理財務をコーディネートする役割を担っていました。上場企業ですから月次決算は5~6営業日で締めないといけない。中小企業は通常、翌月末~2ヶ月程度かけて締めているわけですから、今までに比べたら相当タイトなスケジュールです。

問題はその子会社の顧問税理士の対応でした。私が「こうすれば対応できますよ」と提案しても「無理です。できません」の一点張り。預金データ、支払明細、売上データを流し込めば3営業日で処理できるロジックを提示しても見向きもしない。親会社から督促があって初めて動き出すような状況でした。子会社の社長にはへりくだる態度なのに、親会社の担当者のことは鼻で笑うような対応だったのも理解しかねるところでした。

また驚いたのは、その税理士が資産除去債務を理解していなかったこと。税効果会計についても2割程度しか分かっていない印象でした。簿記の一般内容なのに話がかみ合わない。上場グループに…

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