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会計事務所M&A 「買手の視点」‐最終回
NA税理士法人代表社員 荒井 正巳氏

税理士の高齢化と後継者不足により会計事務所のM&Aは増加傾向にあるようだ。しかし、そのプロセスは必ずしも順風満帆とはいかない。顧客と職員を引き継ぐ側の税理士法人にも苦労が多いというのが実情のようだ。事情に詳しいNA税理士法人(東京・豊島区)の荒井正巳代表に話を聞いてみた。

これまで実に23回も会計事務所のM&A契約を締結してきましたが、今回は譲渡価額、つまり事業価値評価の話をしたいと思います。正直に言えば、少し不満があるんですよ。

多くの仲介会社さんは、納得感のある計算過程を示すことなく、いきなり「年間売上高で○○円です」と譲渡価格を打診してくることが多いのです。でも、よく考えてみてください。会計事務所の事業内容は、それぞれ事務所ごとに大きな差があります。顧客の状況、職員のスキル、サービス内容、地域性などなど、様々な要素があるわけです。それらをまったく考慮せず、いきなり年間売上だけで価格を決めるというのはどうなのかと思うわけです。

ただ、仕方ない面もあります。わたしのところは飲まざるを得ない。飲まないと紹介してもらえないですから。弊社は中規模ですし、最大手の税理士法人に案件が流れる中で、紹介していただけるだけでもありがたいのが実情です。

それでも、やはり事業価値評価には算定根拠が欲しいですよね。あるシステムベンダー系の仲介会社さんは、M&A後に想定される年間売上の70%をベースにした売上基準と、予想される損益計算からその利益額の2年分とする利益基準の2つの金額を計算し、その平均値を譲渡価額交渉の出発点としています。これは納得感がありますよ。

見込みの売上高を計算し、予測される損益計算をす…

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