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事務所後継者問題解説シリーズ  事業合流のすすめ(3) 後継者を迎えるための準備
(株)MJS M&Aパートナーズ シニアアドバイザー 間嶋 隆仁

後継者を理解するには時間もかかる。一方的に承継のイメージを固めるのではなく、あくまで対等な立場で顧問先と職員が納得する承継方法を探すところから始めたい。

事業合流の一形態としての後継者紹介

会計事務所の事業承継において、税理士法人などへ事務所を統合する事業譲渡(M&A)とは異なるアプローチとして、「後継者紹介」があります。これは事業合流の一形態として位置づけられ、事務所を「売る」のではなく、後継者となる税理士を迎え入れて時間をかけて承継を進める方法です。

 事業譲渡(M&A)では、契約締結後の顧問先や職員のことは基本的に譲渡先に任せることになります。一方、後継者紹介では、所長が引退あるいは一線を退くまで、後継者と運命を共にするスキームとなります。そのため、経営理念や社風など、一緒に協力し合える相手であるかどうかが決定的に重要になります。

後継者紹介の本質的な難しさ

後継者紹介の難しさは、M&Aのような条件交渉を中心とした売買契約ではない点にあります。事業譲渡であれば、譲渡価額を決定し、契約を締結すれば一定の区切りがつきます。しかし後継者紹介では、いわば「一つ屋根の下で同じ釜の飯を食う」ような信頼関係を構築できるかどうかが問われます。

事務所の後継者となる税理士を迎え入れることは、結婚に近いと考えるべきでしょう。日本の離婚率は「3組に1組」と言われますが、後継者候補の税理士が離れてしまうケースは、税理士法人の解消も含めて相当数発生しているのが実情です。後継者の招聘は、そもそもリスクが高いという認識が必要です。招聘後に信頼関係が崩れると、またゼロからのスタートとなってしまいます。

後継者候補の多…

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