税理士・会計事務所業界の“知る”を支える、情報プラットフォーム

ニュースやお役立ち情報を随時更新!最新のトレンドなら「税界タイムス」

「freee申告 法人税」「freee固定資産」のPublic API一般公開、およびMCPサーバー「freee-mcp」に対応

「freee申告 法人税」「freee固定資産」のPublic API一般公開、およびMCPサーバー「freee-mcp」に対応

会計ソフトの分野でクラウドサービスを提供するfreee株式会社が、2026年8月、「freee申告 法人税」と「freee固定資産」のPublic APIを一般公開し、AIエージェントとの連携基盤である「freee-mcp」を両プロダクトに対応させると発表しました。これまで会計や人事労務が中心だったAI連携の対象領域が、いよいよ決算・税務のコア業務にまで広がってきたことになります。日々の実務でクラウド会計を扱う税理士にとっても、見逃せない動きといえるでしょう。

■電子化の次に来る「業務そのものの変革」

インボイス制度や改正電子帳簿保存法への対応を通じて、多くの企業でペーパーレス化は着実に進みました。しかし、集まったデータをどう活かして業務効率や付加価値の向上につなげるかという、いわば「電子化の先にあるDX」は依然として課題として残っています。とりわけ固定資産管理や法人税申告といった決算・税務の中核業務は専門性が高く計算も煩雑なため、手作業やデータの分断が生じやすく、決算期の業務集中を招きがちでした。そこに税理士業界の人手不足という構造的な問題も重なり、テクノロジーを取り入れた業務改革の必要性が高まっています。

freeeは2026年3月、AIエージェントが各種APIを直接操作できる「freee-mcp」をオープンソースとして公開し、以降、会計・人事労務・請求書・電子契約など対応領域を段階的に拡大。今回、これまで認定アドバイザー限定だった「freee申告」の提供範囲を広げ、「freee固定資産」もあわせてPublic APIとして一般公開しました。

■申告・資産管理の現場で何が変わるか

(1)法人税申告に関する活用

AIエージェントに「前年度の法人税申告の状況を教えて」「確定済みの申告から貸借対照表と損益計算書を取得して」「本店所在地に対応する地方税帳票を確認して」などと依頼すると、対象の事業所・事業年度を自動的に特定し、貸借対照表や損益計算書、地方税帳票などを取得してくれます。

過年度との比較や所得金額の推移確認も会話ベースで行えるため、年度ごとに画面を切り替えて資料を探す手間が減ります。また、税理士との打ち合わせに向けた決算書類の洗い出しも効率化され、事前準備の負担軽減が期待できます。

(2)固定資産管理に関する活用

AIエージェントに「4月に購入した営業部のパソコンを固定資産として登録して」「管理番号〇〇の取得価額と償却状況を確認して」「移設した設備の登録情報を更新して」などと依頼すると、固定資産の新規登録や取得価額・償却状況の確認、移設に伴う情報更新なども実行できるようになります。

また、「今期取得した固定資産を一覧にして」「この設備の償却状況と今後のスケジュールを確認して」などのやりとりをすることで「freee-mcp」が台帳から該当する資産情報を取得。決算や監査に向けた情報収集を会話からスタートすることができるため、確認作業の効率化が期待できます。

なお、資産の削除など重要な変更を行う際には、復元できない旨を提示したうえで利用者の明示的な承認を得るステップが設けられており、安全性にも配慮された設計となっています。

■税理士・会計事務所にとっての意味合い

企業側の基幹システムや資産データと、税理士側が扱う申告データがAIを介してシームレスにつながることで、転記や集計にまつわるヒューマンエラーのリスクを下げつつ、申告業務の下準備や検証作業のスピードを高められる可能性があります。決算期に業務が集中しやすい税理士・会計事務所にとって、こうしたAIエージェントとの協働は、単なる効率化にとどまらず、限られた人員でより多くのクライアントに向き合うための一つの選択肢になっていきそうです。今後、他の会計ソフトベンダーも同様の動きを見せるかどうか、業界全体の動向にも注目したいところです。

(画像:フリー株式会社のプレスリリースから引用)

※参考:フリー株式会社プレスリリース(2026年8月28日)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002139.000006428.html

コメント

コメントはまだありません。