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法人税申告業務の54%が「特定ベテラン頼み」-調査で浮き彫りになる属人化リスク

法人税申告業務の54%が「特定ベテラン頼み」-調査で浮き彫りになる属人化リスク

税理士が日々クライアントと向き合う法人税申告の現場では、今、構造的な問題が静かに深刻さを増しています。ピー・シー・エー株式会社が2026年3月に実施した、法人税申告業務担当者109名を対象とした実態調査では、その実態が数字として浮き彫りになりました。

調査出典元:

https://pca.jp/

■半数超がベテラン頼み―法人税申告の現場で何が起きているか

最も注目すべき結果のひとつが、属人化の問題です。「申告業務の計算根拠や操作を把握しているのが特定のベテランのみ」と回答した担当者は54.3%と過半数を占めました。一方で、マニュアルが整備済みという回答はわずか3.8%にとどまっています。つまり、多くの事務所や企業において、申告業務のノウハウは「人の頭の中」にしか存在していないのが現状です。担当者が退職や異動になった際のリスクは、数字が示す以上に大きいと言えるでしょう。

また、業務の中で最も時間がかかるものとして「資料収集」(45.7%)と「別表作成」(41.0%)が上位に挙がっています。税理士が本来の専門性を発揮すべき税務判断や経営へのアドバイスではなく、こうした準備・確認作業に多くの時間が費やされている現状は、業界全体の生産性という観点からも見逃せない課題です。

■Excelへの依存とシステム連携の壁

属人化と並んで浮き彫りになったのが、ツールの非効率さです。税額シミュレーションの方法を尋ねたところ、「独自のExcelで概算を計算している」という回答が48.6%と約半数に達しました。申告ソフトの機能を活用して四半期ごとに試算・提示しているのは21.1%にすぎません。

こうした状況の背景には、申告ソフトそのものへの不満もあります。現在利用している申告ソフトの不満点として最も多く挙げられたのは「会計ソフトとの連携が弱い」(42.9%)でした。会計ソフトから申告ソフトへのデータ連動についても、「完全自動連動」は21.0%にとどまり、42.9%が「ファイル経由でのCSV出力・加工」という手作業を交えた方法に依存しています。また、申告業務の中で最も神経を使うチェック作業として「消費税・インボイスの判定」と「税務上の拾い上げ漏れ確認」がそれぞれ30.5%で並んだことも、日々の実務における担当者の負担感を象徴しています。

今後求められる機能について聞いた設問では、「整合性チェック(数字のズレを自動検知)」が25.7%、「ウィザード形式ナビ」が24.8%、そして申告ソフトを乗り換える際の最大の決め手として「AI機能の搭載」が24.8%で首位となりました。担当者の間で、ツールによる業務支援への期待が高まっていることが読み取れます。

■体制構築の「今」が問われている

本調査の結果は、法人税申告業務が抱える構造的な課題-属人化・システム連携の不足・Excelへの過度な依存-が、多くの現場で同時に進行していることを示しています。これらは個別の問題ではなく、互いに絡み合った根深い課題です。

税理士として、あるいはクライアント企業の申告業務を支援する立場として、この機会に自事務所・自社の業務フローを見直すことは、リスク管理の観点からも有益です。マニュアルの整備、クラウド型ツールの導入、そしてAIを活用した業務効率化は、もはや「将来の選択肢」ではなく、現時点での優先課題といえるでしょう。担当者が変わっても業務品質を維持できる体制づくりが、今まさに問われています。

(画像:ピー・シー・エー株式会社のプレスリリースから引用)

※参考:ピー・シー・エー株式会社プレスリリース(2026年6月9日)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000068180.html

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