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会計事務所の業界団体「会計連」が2年目へ-MVV策定と研究会活動で業界変革を加速

会計事務所の業界団体「会計連」が2年目へ-MVV策定と研究会活動で業界変革を加速

一般社団法人会計事務所連携協議会(略称:会計連)が、設立から1年を経て2年目の活動を本格的に始動させました。2024年12月25日に全国17社の会計事務所を発起人として設立されたこの団体が、今年度は活動の方向性を明文化し、業界全体の底上げに向けた取り組みを具体化しています。税理士・会計事務所にとって、この動きはどのような意味を持つのでしょうか。

■ 活動の軸となるMVVとは何か

会計連が2年目の最初に行ったのが、MVV(Mission/Vision/Value)の策定です。組織としての判断軸を明文化することで、活動の一貫性を担保しようという狙いがあります。

ミッション(Mission)に掲げられているのは「会計事務所の社会的価値を再定義し、『これからの常識』へ」という言葉です。AI時代が本格化するなかで、会計事務所が担う判断力・説明責任・法令解釈・利害調整といった「人ならではの総合力」を改めて言語化・可視化していく方向性が示されています。

ビジョン(Vision)として据えられているのは、若い世代に選ばれる専門職業界を目指すという姿勢です。会計事務所の実像やロールモデルを可視化し、業界の魅力を次世代に伝えること、そして事務所の枠を超えた知見の循環によって業界全体の生産性と品質を高めることが目標として示されています。

これらは単なるスローガンにとどまらず、後述する研究会活動や産学官連携の取り組みと直結した実践的な指針となっています。

■ 3本柱の活動と6つの研究委員会

2年目の活動は「メディアを通じたPR活動」「産学官連携」「研究会活動」という3本柱で推進されます。なかでも中核となるのが、各研究委員会による研究会活動です。

現在設置されているのは、人材採用・会計事務所M&A・テクノロジー・税理士法改正・広報活動・グローバルの6委員会です。なかでも人材採用研究委員会は、採用・育成・定着に関する知見共有にとどまらず、大学・専門学校・学生団体へのアプローチや租税教育といった教育的取り組みにまで踏み込んでいる点が特徴的です。「若い世代に選ばれる業界へ」というビジョンを、現場レベルで実践しようとする姿勢が表れています。

また、テクノロジー研究委員会ではAI・DX活用やセキュリティに関する実務的な議論を進め、税理士法改正研究委員会では社会・経済環境の変化を踏まえた制度設計の提言を目指しています。M&A研究委員会では、事業承継の選択肢としての会計事務所M&Aについて知見と事例の共有を図ります。

これらの委員会活動を通じて、同じ課題意識を持つ事務所同士が学びを持ち寄り、業界全体の知見を底上げしていく仕組みが構築されつつあります。

■ 参加の現状と今後の展望

2年目となる今年度は、研究会活動の立ち上げと運営体制の確立を優先する「準備・検証フェーズ」と位置付けられており、参画枠は限定的です。新たに参加できるのは、既存会員からの推薦・紹介によるルートに限られており、ウェブ等での一般公募は行われません。

一般向けの正式な会員募集は来年度(2027年度)からの本格開始が予定されています。今年度はあくまで体制整備の期間として位置付けられており、関心のある事務所は今後の公式な告知を注視しておく必要があります。

業界団体による横断的な取り組みは、個々の事務所では対応しきれない人材採用・テクノロジー活用・制度対応といった課題に、集合知で向き合う機会を生み出します。会計連の動向は、これからの会計事務所経営を考えるうえで注目しておきたい視点のひとつといえるでしょう。

 

会計事務所連携協議会(会計連)公式サイト

https://j-tax.or.jp/

※参考:一般社団法人会計事務所連携協議会プレスリリース(2026年3月9日)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000154574.html

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