弥生株式会社は2026年2月26日、会社設立手続き支援サービス「弥生のかんたん会社設立」と、法人向けクラウド会計サービス「弥生会計 Next」のデータ連携機能の提供を開始したと発表しました。顧問先の法人設立を支援する機会の多い税理士にとっても、実務に直結する内容です。
弥生のかんたん会社設立
https://www.yayoi-kk.co.jp/kigyo/setsuritsu/
■ 何が変わったのか――「入力の二度手間」と「仕訳の悩み」を解消
これまで、「弥生のかんたん会社設立」で会社設立手続きを完了した後、「弥生会計 Next」を使いはじめるには、資本金の金額や定款の作成方法といった基本情報を改めて手入力する必要がありました。また、設立時の開始仕訳(資本金や創立費の会計処理)は簿記の知識が求められる作業であり、多くの起業家が最初のつまずきを感じる場面でもありました。
今回の連携では、この二つの課題がまとめて解消されます。
(1)会社情報の自動引き継ぎ
「かんたん会社設立」で入力した資本金の金額や定款の作成方法(電子定款か紙定款か)が、「弥生会計 Next」の初期セットアップに自動で反映されます。初回ログイン時の設定作業が大幅に簡略化されるため、会計ソフト導入のハードルが下がります。
(2)設立費用の自動入力と開始仕訳の自動作成
設立時にかかった費用――定款認証手数料、謄本請求手数料、登録免許税、印鑑証明書発行費用、司法書士への代行依頼料、記録媒体(CD-RやUSBメモリ)の購入費用など――が、会社形態・資本金・手続き内容に応じて自動計算され、費用セットアップ画面に反映されます。そのうえで、借方・貸方の勘定科目や摘要を含む開始仕訳が自動作成され、仕訳帳に登録されます。領収証を手元に広げながら一つひとつ入力する手間がなくなるわけです。
■ 税理士業務への影響と活用のポイント
顧問先が自力で設立時の仕訳処理まで完了した状態で弥生会計 Nextを使いはじめるケースが増えれば、税理士が関与する早い段階から仕訳データが整った状態でやり取りできる可能性があります。一方で、自動生成された仕訳の内容が実態に即しているかどうかの確認は引き続き必要です。たとえば創立費として計上された費用の範囲が適切かどうか、資本金の払込時期と仕訳日付の整合性はどうか、といった点は専門家の目が必要な場面として残ります。
また、弥生会計 Nextを年契約で利用する場合、定款作成等の手続き費用が実質無料になる特典も継続されています(電子定款作成依頼料またはオンライン申請システム利用料の負担なし)。コストを抑えながら会社設立から会計業務までを一気通貫で進めたいという起業家ニーズに応える設計となっており、顧問先への情報提供のひとつとして押さえておく価値があります。
設立から会計スタートまでのスムーズな流れをツールが担う時代になりつつあります。税理士としては、自動化によって軽減された部分を把握したうえで、ツールでは補えない専門的な判断・アドバイスにリソースを集中させていく視点が、今後さらに重要になるでしょう。
(画像:弥生株式会社のプレスリリースから引用)
※参考:弥生株式会社プレスリリース(2026年2月26日)
コメント
コメントはまだありません。