AI・デジタル化の急速な進展により、記帳作業や定型的な税務処理の自動化が加速しています。こうした流れは、従来型の業務に依存してきた会計事務所の収益モデルを直撃しかねません。そのような危機感を背景に、TKC全国会(会長:税理士 坂本孝司、会員数約11,600名)は2026年2月、「高付加価値モデル構築プロジェクト」を始動させました。
■ プロジェクトが目指すもの
同プロジェクトは、付加価値の高いサービス提供に定評のある若手会員税理士をメンバーを招集し、会計事務所の「付加価値」と「生産性」を数値化・定義することを出発点としています。感覚や経験則ではなく、再現可能なモデルとして体系化することで、業界全体の底上げを目指す姿勢が窺えます。
研究テーマの柱となるのは、「税理士の4大業務」(書面添付・経営助言・税務相談・月次巡回監査)の実践手法と、月次決算をベースにした高付加価値サービスの構築です。毎月関与先を訪問して財務状況を確認・指導する月次巡回監査は、経営者との関係を深めながら、リアルタイムに近い経営情報の提供を可能にします。この仕組みを軸に据えることが、他事務所との明確な差別化につながるという考え方です。
TKC全国会
■ 税理士として今、問い直すべきこと
本プロジェクトが提起する問題意識は、TKC会員に限った話ではありません。AI・デジタル化の加速、採用難、顧問先ニーズの多様化という三重の変化圧力は、規模や所属を問わず、あらゆる会計事務所に共通する課題です。
「高付加価値化」を単なるサービス拡張と捉えるのではなく、自事務所の経営モデルそのものを問い直す契機として活用できるかどうか。何を「付加価値」とし、誰に・何を提供して対価を得るか——この問いに自分なりの答えを持てているかどうかが、今後の明暗を分ける可能性があります。TKC全国会の取り組みを、事務所経営を見直すひとつのきっかけとして参照してみてはいかがでしょうか。
(画像:株式会社TKCのプレスリリースから引用)
※参考:株式会社TKCプレスリリース(2026年2月27日)
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