わたしの会計事務所で採用したい転職者について挙げてくださいと質問された場合は以下の人材を採用したいと答えます。転職をお考えの方はご参考にしていただければ幸いです。
簿記の知識は必要なことはもちろんですし、幅広い税務の知識もあるに越したことはありません。
特にある程度、簿記の知識があることが大前提となりますので、それを踏まえて記載します。
2024.11.26
わたしの会計事務所で採用したい転職者について挙げてくださいと質問された場合は以下の人材を採用したいと答えます。転職をお考えの方はご参考にしていただければ幸いです。
簿記の知識は必要なことはもちろんですし、幅広い税務の知識もあるに越したことはありません。
特にある程度、簿記の知識があることが大前提となりますので、それを踏まえて記載します。
目次
税理士業務が未経験の方の場合、あたり前ですが面接の場でその経験について聞くことができません。ただ、別の聞き方でその方が会計事務所で活躍することができるかどうかを判断することがあります。
それは下記の質問になります。
面接での質問例
「あなたが今までお仕事してきた中で、失敗したことを挙げてください。そしてそれに対してどのように対応したか教えてください」
会計事務所で活躍するために必要な特性には4つあると考えています。この質問の趣旨としては、その人物がこれらをお持ちであるかを判断しています。
ここからは、その4つの側面について、順に考えていこうと思います。
会計事務所で活躍するためには、以下の4つの側面にわたる特性が重要だと考えています。
まず質問の趣旨としては問題があったときにパニックにならず冷静に対応できる人物かです。
業務を進める上で予期せぬ問題やミスに直面することは避けられません。それに対応するためにも柔軟性を持ち、固定観念にとらわれず臨機応変に対応できる人が求められます。また、慌てない冷静さも重要です。
特に繁忙期や締切が迫る状況では、感情に流されることなく、効率的に業務を遂行する処理能力が必要です。ちなみに経理業務や会計事務所で働かない場合でも必要な特性と思います。
人物の性格としては何かあったときに迅速かつ主体的に対応する積極性も評価されます。
この場合以下のように具体的であればあるほど好印象です。
(事象の説明)
前職では、繁忙期の決算の最中に重要な取引先の売掛金データがシステム障害により消失するトラブルが発生しました。この状況において、わたしはまず状況を正確に把握し、優先順位を整理しました。
(具体的な対応策の例示)
たとえば、下記のような業務を行っていました。
(その業務による個人的な学び)
これらの対応により、納期を守るだけでなく、決算報告の精度を保つことができました。
トラブル対応に際しては、自分がやりやすい方法のみを考え自分中心の思考回路になりやすいです。そうならないように、上司や同僚に助言を求めながら自分の不足している点を認めながら取り組みました。
(周りへの働きかけ)
また、チーム全員がそれぞれの役割を果たせるよう積極的にコミュニケーションを図り、連携の橋渡しを担いました。
以上のように具体的な事例をお話しすると、とても評価が高くなります。
その際に自分だけで解決したというより他の人を巻き込み、上司に相談しそれを受け入れて対応したということもアピールポイントとなります。何より素直な人は、周囲の助言や新しい取り組みを積極的に受け入れることができ、成長の可能性が高いと感じられるからです。さらにお客様ともよい関係が築ける人物であると評価されます。
さらに、その旨を応募書類にも自己PRとして記載しておくと、面接の場で深堀して質問されコミュニケーションのきっかけになる場合もあるので、お勧めいたします。
人物像を拝見させていただきながら、さらに掘り下げて質問をしていく場合もあります。例えば一つの取引事象が他にどのように影響しているかという質問です。その場合は「会計のセンス」に着目している場合が多いです。
仕訳を直感的に理解するセンスは大切です。仕訳を単なる文字や数字の羅列として認識するのではなく、頭の中で財務諸表の構造を描ける力は会計事務所で働くためには必要です。
例えば、「期の途中に固定資産を売却した」という仕訳を見た瞬間に、貸借対照表(BS)の該当科目がどのように増減するか、損益計算書(PL)にどのように影響するのかを図解的にイメージできることが求められます。
一つの取引が税務計算や財務諸表にどう波及するかを判断できるセンスは、処理の抜け漏れをふせぐことにつながるため即戦力として重宝されます。仕訳で会話ができると事務所内でのコミュニケーションが楽になります。
データを単なる数字としてではなく、その背景にある意味を読み解く力が重要です。
例えば、売掛金が増加している場合、売上の増加の場合も考えられますが、「回収の遅れが発生しているのではないか」「為替レートの変動によるものか」「季節的要因によるものか又は構造的な変化によるものか」「現金取引から掛取引への移行によるものか。それであればキャッシュフローは大丈夫か」「貸倒引当金の損益への影響は」といった要素を、次々と直感的に結びつける力が求められます。
こうした洞察力を活用して、改善すべき課題を特定し、業務改善の余地を明確にできる能力は、顧問先や事業会社、会計事務所内の経営戦略に直結する提案ができるようになりあらゆる場所で頼りにされます。
このようにデータの信憑性や背後にある意図を見抜く洞察力はリスク管理や顧問先の経営判断の精度を高める上で非常に重要なため面接では重点的に拝見させていただくことになります。
会計の世界は勉強が欠かせません。税務の知識のアップデートの他、財務数値を読む知識も大切なものです。
面接の場では勉強し続ける姿勢があるかも拝見させていただくことになります。例えば以下の点は会計事務所で経験を積んでいただくとお客様に信頼されるようになります。
お客さま向けにお話するときに喜ばれるのが財務指標の知識です。
お客様との会話で財務指標、特に粗利率や人件費率についての話題が頻繁に出てきます。例えば、「御社の粗利率は業界平均と比べてこのくらいですね」とか「人件費率はこの辺りが一般的です」といった具体的な数値を示すと、お客様は興味を示します。そして具体的な改善案を提案することで信頼が高まります。
また、社長は他社の状況にも関心が高く「うちの業界では、みんなどうしているのか?」と尋ねられることが多いです。積極的に情報・知識をアップデートしてお客様に提供する姿勢は大切です。
個別の会社名は出せませんが「最近の傾向としては〇〇が増えています」や「成功している会社は△△に力を入れているようです」といった情報を提供することで、お客様は満足します。このようにアンテナをはって勉強する姿勢は有効なアピールポイントとなります。
会計や税務の知識は学習で補える部分が大きい一方で、「仕訳から財務全体を直感的に把握する能力」や「数字の背後にある課題を見抜くセンス」は、経験を重ねることでしか養えません。
これらの能力を持つ人材が、組織の発展と持続的な成長に大きく貢献すると考えられます。採用においては、知識やスキルだけでなく、性格や価値観、そして経験に裏打ちされたセンスを兼ね備えた人材を見極めることが重要となります。よって顔を合わせる場面ではそこを重視して質問することになります。
他の事務所で採用される場合もそこを見られていると思って面接に望まれると、よい結果が得られるでしょう。