試験合格までには何年もかかることが多い税理士試験。20代半ばから始めたけど、気がつけば30歳を超えていた、なんてことも珍しくありません。
では税理士受験生や会計事務所勤務の方の転職に、年齢は関係あるのでしょうか?
ここではわたし自身やまわりの会計事務所勤務の方々を参考に、実際のところをお話いたします。
60代以上でも現役で活躍している方が多い税理士業界での転職について、本当のところを知りたい方はぜひご一読ください。
2024.8.28
試験合格までには何年もかかることが多い税理士試験。20代半ばから始めたけど、気がつけば30歳を超えていた、なんてことも珍しくありません。
では税理士受験生や会計事務所勤務の方の転職に、年齢は関係あるのでしょうか?
ここではわたし自身やまわりの会計事務所勤務の方々を参考に、実際のところをお話いたします。
60代以上でも現役で活躍している方が多い税理士業界での転職について、本当のところを知りたい方はぜひご一読ください。
目次
税理士業界の就職先として一番に考えられるのは、会計事務所・税理士事務所だと思います。実はそのほとんどが中小規模。そのため、採用にはその事務所の所長の意向が大きく影響しています。
わたしの知人の所長の話ですが、かつて自分と波長が合う人ばかりを採用していたところ、全員の血液型が所長と同じO型になってしまったことがあったそうです。従業員の性格があまり偏ってしまうのはよくないと思い、現在は別の採用基準を意識していました。
そのくらい、採用には所長の個人的な意向が働いているということです。年齢を最重要視する所長もいるかもしれませんが、年齢以外の部分を採用基準としている事務所が多い印象です。よって、年齢が高い場合でもそこまで気にする必要はないと思います。
現在は会計業界・税理士業界も人手不足のため、非常な売り手市場です。
10年ほど昔は、税理士試験の科目合格を応募条件としていた事務所が多かったのですが、現在は科目合格がなくとも、今後勉強する意欲があれば採用される可能性は十分あると思います。
年齢が30代、40代の場合は、それまでの経歴を問われるでしょう。「なぜ会計事務所で働きたいのか」「前職ではどのような経験を積んできたのか」など。
また、現在受験生で科目合格の無い方は「税理士試験のために、どのような勉強をしてきたのか」などは話せるようにしておきましょう。
もちろん税理士試験の科目合格者や税理士有資格者の場合は、年齢に関わらず非常に有利です。ただし、かなり期待して採用されますので、入社後に期待に応える覚悟も必要かもしれません。
大手税理士事務所の場合、35歳までなら「税理士資格は持っているが実務は未経験」「税理士試験に3科目合格しているが、税務業務経験は浅い」人でも、これから育てていける人材として採用されることも可能です。
しかし35歳を過ぎてくると、20代から経験を積んできた他の社員と同様のパフォーマンスが求められるようになってきます。つまり、即戦力としての採用がメインになってきます。
業務経験が非常に豊富であるなどの強みがあれば年齢は関係ないかもしれません。一方で、未経験かつ資格がない状態で大手に挑戦したい場合は、35歳までに転職することをおすすめいたします。
20代であれば、かなりの割合でポテンシャル採用が可能だと思います。たとえ科目合格がなくとも、「税理士試験の勉強を〇年しています」「これから受験する予定です」などのアピールポイントがあれば、よほど問題がない限りは採用されるのではないでしょうか。
20代の会計事務所勤務は、税理士を目指す大学生のアルバイトも多いです。 ただ、わたしの知人から聞いた話ですが、アルバイト採用したものの初出勤日から出社せず、そのまま辞めてしまうような人もいたそうです。そういう方は、もしいずれ税理士になれたとしても、業界内でそのような事実が知られてしまったら、仕事がやりにくいだろうなと思いました。
これは極端な例ですが、採用側は上記のような若い方を警戒している場合もあります。社会人経験が少ない20代であれば、自分が学生時代熱中してきたことや責任感があるとわかるエピソードを話してはいかかでしょうか。これにより、明るく誠実な印象をもってもらうことができます。
30代になると、結婚や子育てなど家庭の事情を考慮する年代になってきます。
未経験者の採用は20代に比べてハードルが高くなるでしょう。しかし、30代から勉強を始めて、税理士資格を取得する方も多くいらっしゃいます。すでに資格を取得済みであれば、働きざかりとして大きな期待を持って採用されることになると思います。
ただし30代後半になると、たとえ中小税理士事務所でも、科目合格がなく実務未経験だと採用は厳しくなってきます。そういう場合には、前もって簿記検定を受験したり、これまでの経験で会計・税務に関するものがないか、アピールになることを事前に考えておきましょう。
40代は、即戦力として実務経験がより重視されるようになります。税理士科目合格者や実務経験が豊富な方であれば、内定をいただける可能性は高いです。
また30代と比べて、より人柄が重視されるようになります。40代で採用された場合、上司が自分より年下である可能性もあるため、年下であっても敬意を忘れない温和な人柄の方が好まれるでしょう。
またどんな会計事務所でも、総務・事務は女性である場合が多いです。このような女性スタッフの好感を得られるかは、とても重要なポイントになります。事務所内の些細なことに気づいたり、積極的に協力を申し出たり、感謝の気持ちを自然に伝えられるような方であれば、とても歓迎されると思います。
面接では、採用側がどんな人材を求めているかを見極めることが大切です。
税理士資格や実務経験があったとしても、相手が求めている人物像と違う場合は不採用になることもあります。求人票だけではわからない部分もあるでしょう。そういったところは、事前にエージェントに確認するのは大事ですが、面接などでも積極的に聞いてみましょう。
また、どんな社風の事務所であるかは、福利厚生に表れていると思います。
とある税理士事務所では、みんなで盛り上がるイベントが定期的に開催され、そのようなイベントが好きな人が集まることで、それが社風になっていました。また別の税理士事務所では、誰でも使用できるマッサージチェアを設置したり、ジムや整体の会員権を付与したりして、飲み会などは極力しないなど、個を尊重する社風のところもありました。
自分がこんなところで働きたいという志向性と、事務所の相性を見極めるのは、長く働くためにも非常に重要だと思います。
「ぜひこの税理士事務所で働きたい」と思った場合は、意識してその事務所の社風に合わせたコミュニケーションをとってみましょう。
相手から話を聞き出し、反応をみるという円滑なコミュニケーションは、会計事務所に勤務してからも役に立ちます。当たり前ですが、採用するのは人間ですから、話が盛り上がった人のほうが好感度も高く、採用可能性も上がるのではないでしょうか。
またどんな事務所であっても、面接の際のちょっとした気配りが、相手への印象をよくすることがあります。
わたしの場合、面接の際にお茶を出していただいたのですが、帰りぎわにお茶の器を一か所にまとめて事務所の方が片付けやすいようにしておきました。
もちろんそれだけが理由ではないと思いますが、その事務所からは内定のご連絡をいただきました。一緒に働くかもしれない相手に対して、敬意を忘れない姿勢というのは大切だと思います。
みなさんが想像している会計事務所の採用事情と、実情の違いは大きかったでしょうか?
税理士業界での転職はそこまで年齢に拘らなくてもいいかもしれません。ただ、長く働くことができる職場を探したいと思うのであれば、早めに行動に移した方がよいのはいうまでもありません。
このコラムが、あなたに合った転職先を見つけるための参考になれば幸いです。