会計事務所では、お客様のところへ訪問するいわゆる“外回り”を担当している職員がいます。外回りって、いったい何をしているんだろう…?と思いますよね。実はわたしも、会計事務所の内勤時代に不思議に思っていました。
今回は会計事務所で働き、いずれは独立開業も考えている方であれば、避けては通れない「税理士の外回り業務」について、お話しさせていただきます。
2024.8.28
会計事務所では、お客様のところへ訪問するいわゆる“外回り”を担当している職員がいます。外回りって、いったい何をしているんだろう…?と思いますよね。実はわたしも、会計事務所の内勤時代に不思議に思っていました。
今回は会計事務所で働き、いずれは独立開業も考えている方であれば、避けては通れない「税理士の外回り業務」について、お話しさせていただきます。
目次
会計事務所で法人のクライアントを担当している場合、定期的に打ち合わせをする必要があります。毎月、3か月に一度…など、頻度はその会社によってまちまちですが、相手先を訪問してお話することを“外回り”と言います。
主な内容は試算表の説明。売上がいくらで、経費がこのくらい、結果として今月の利益はこれくらいでした…という内容を、試算表を見せてわかりやすくお伝えします。
試算表は、顧問として担当している場合は、もし打ち合わせがなかったとしても、毎月の資料として相手先にお渡しするような重要なものです。
外回りは会計事務所の業務の中でも花形の業務です。会計事務所の所長からしても、信頼できる、対外的にも問題のない人間にしか任せられない要の仕事だと言えるでしょう。
最近はオンラインでの打ち合わせも多くなりましたが、クライアントによってはやはり対面でいろいろ聞きたいというニーズがあるので、わたしもできるだけ相手先を訪ねて直接お話をするようにしています。
だいたい1時間程度を予定していますが、実際はそれより長くかかる場合がほとんど。往復の移動時間も含めると半日は外出していた、などということもよくあります。
上述したとおり、試算表の説明が主な業務になります。クライアント(社長さん)が知りたいのは、「現在の売上がどうなっているのか」「利益はどのくらい出ているのか」ということ。
試算表の見方を含めて、わかりやすく説明します。また、今後の利益予測や支払い期限の近い税金についても適時教えてあげるといいでしょう。
わたしはこれが非常に重要だと思っています。クライアントは内部の従業員にも言えないような様々な悩みを抱えており、その相談を税理士にしたいと思っています。会社に関わることはもちろんですが、家族のことや自分の身の回りのことなど。税務に関することに限らず、お金に関する専門家として信頼していただければ、顧問として長いお付き合いができるのはないでしょうか。
実際にそういった雑談の最中に「先日、従業員が辞めました」というような話があり、こちらからは「従業員が退職した場合、このような手続きが必要ですよ」といったアドバイスをすることができたケースもあります。雑談の中からヒントをいただき、次の業務につなげることもよくあります。
外回りをするにあたっては、わざわざお時間をいただくわけですから、わたしは様々な事前準備をしていきます。いくつかわたしが意識していることをお話します。
将来的に税理士として独立開業を目指している場合、やはり外回りで経験を積んでおくことはとても重要です。会計事務所にもよりますが、基本的には正社員が外回りを担当することが多いと思います。
会計事務所で働くことが初めてで、税理士資格の勉強中というような場合、まず1年は内勤でしっかりと仕事の流れを学ぶことになります。年間の納税スケジュールや、届出や申告の期限の把握、その際に確認しなくてはならないことなどを理解して初めて、クライアントからの質問にも答えられるようになるからです。
それから上司や先輩と一緒にクライアントを訪問する1年ほどの見習い期間を経て、一人で顧問先を訪問することができるようになれば、ようやく一人前と言えるでしょう。
やはり人と話すことが好きで、清潔感があり、明るく気さくな印象の人が好まれると思います。税理士の仕事は一人でもくもくと作業をするようなイメージを持たれるのですが、実際は非常にたくさんの方とお会いするため、コミュニケーション能力の高い方は重宝されます。
また傾聴力が高く、相手の話からニーズを察知して、さりげなく提案ができるような人であれば、所長からの信頼も大きくなるでしょう。
話すことが苦手な人は向かないと思われるかもしれませんが、お客様と対峙する機会を増やすことで克服できると思います。ただ、相手に興味を持っていないのが伝わってしまうような態度をとってしまう人は、向かないといえるでしょう。お客様は自分の話に興味をもって聞いてくれる人を好むからです。
もし自分が話すことが苦手だと思うのであれば、 まずはきちんと相手の話を聞くだけでもかまいません。話を最後まで聞いてから、自分なりに何かできることはないかと考えて提案してみましょう。そういう真摯な姿勢があれば、お客様にも少しずつ信頼していただけると思います。
外回りの仕事って、社長さんや経理さんと直接話をしにいくので、最初は緊張するかもしれません。
わたしの場合は、外回りの業務を始めた頃(30代前半)は、内勤では経験できないことの連続でしたので、とても新鮮に感じました。その頃、社長さんはほとんど年上で、雑談の中でこちらが教えられることも多かったです。いまは、社長さんが年下であることが増えてきて、母親のような気持ちで応援していることもあります。
外回りの仕事を通じて、社長さんと会社のことを直に知るようになると、「もっと税務知識を増やして会社の助けになりたい」という気持ちが自然と高まり、勉強意欲も湧くと思います。
この記事で、会計事務所の外回りに興味をもっていただく人が一人でも増えたら、嬉しく思います。